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まゆに唾つけて『ビッグツリー』を読んじゃった

まゆに唾つけて『ビッグツリー』を読んじゃった

『ビッグツリー』と書くと、アメリカインディアンの少年の話を思う人もいるかも。
でも、これはあのベストセラー、そう、副題に、、
「自閉症の子、うつ病の妻を、守り抜いて」ってついている、
東レの出世階段も上りつめた佐々木常夫氏の著作のほう。

これ、実はそれなり気にはしていた。
でも、読む訳ないよな。って、ふんふん、のふん、と思っていた。
でも、数日前、魔がさしてというか、たまたま検索していたアマゾンで、
ものすごく安く買えるって判ったのと、
レビューが真っ二つの評価に分かれることが面白くて、
ついに購入して、昨日来て、あっという間に読んじまいました。

あああ、こうやってベストセラーに私も貢献してしまったんですよね。

日本人って、逆境を生きながらも、正しくたゆまず生きている姿って、
好きなのよねえ。その典型みたいなお話。
で、家族が障害を持っていたり、病に苦しんでいたり、
それを支えるのに四苦八苦していたりを出さない社会だから、
そこそこ以上に成功してしまった著者が、ここまで成功なさいましたけれど、
実は、現実には、実生活において、ここまでご苦労なさいましたんです、
って展開になると、「人知れず」苦しんでいる日本人は、
読者としてつくんですねえ。

私も2時間ほどで読んでしまったから、
多くの読者にとっても、実に読みやすく入りやすく、
ありがたいご本でしょうねえ。

だいたい、新聞広告に著者の写真が出ている時から、
うーむ、この人なら、こういうサブタイトル的状況でも、
いかにも切り抜けそうな、知恵と知性とプライドと責任感と、
それから、それを支える人望と前向きさと、
うむうむ、そんなものがあるわい、と思ってました。
悪い顔じゃあ、ないからね。
手に取れたら取ってももいいかも、でも買うの癪だわい、と。

でも、気が付いたら、大安売りで買って、一日で読んでしまって。

というのも、
のえの本の原稿の大詰めをじりじりと書きながら、
そのことの意味するものを、微分積分するみたいに、
執筆後の就寝時に思考しているらしき私の頭脳があつて、
で、私とのえの共同執筆になる、この本は、
今の日本社会にあって、どんな位置づけの表現を表出することになるんやろか、
ってな具合に、思索が発展するところで、
ヒント作品として、このヒット作にちょっとご登場願った、
そんな感じです。

まあ、彼は男社会の成功者でもありますからね。
家事育児もこまめに効率的にこなしながら、
肝炎からうつ病にまでなって、入退院を繰り返す妻をみながら、
自閉症の長男の世話や、下の二人の年子のキョウダイの世話までして、
って具合で、大企業でのぼりつめつつある人望厚き企業人が、
実はこまめに家事も育児もし、
つれあいの40数回に渡る入退院にも、
めげそうになりながらもめげることなく、
これもまた人生、と受けて立って、生きて行くって姿。

受けるよねえ。ヒットします。
男の家事、育児だけで、受ける日本社会だもの、
おまけに長男の障害というか特性、それからつれあいの闘病…と。

でも、レビューにあった、
彼がもっと企業人ではなく、奥さんのそばにいられる人だったら、
奥さんのうつはあそこまでひどくならなかったのでは、
という、ある方の思いに、私もどことなく動いてしまうのは事実です。

家族のなかのこと、
そこでしか知りえないリアリティっていうのを、
私は、なんだかんだ言っても、大切に思いたいので、
彼女が主婦業の中で、自閉症の長男を筆頭に、
三人の年子を育てた当時に、
運悪くも肝炎を発症してしまったその事実のおもみについては、
ちょっとやそっとでは関与できないものは、しかと感じます。

でも、著者がここまでできる人であること。
ここまで人望厚き人であること。
ここまで責任を取る人であること。
物事を筋道立てて考えて、きっちり対処する人であること。
どこまでも、人の面倒をみることをいとわないタイプであること。

などなどを思うにつけ、
「おくさん」のやりきれなさは相当なものであったのではないか、
と思わざるをえません。
うーむ、大変やったやろな、と募る思いがあります。

でも、そんな人だから、頼りにもなるし頼りにするしかない。
だけど、自分のみじめさはいやますばかり。
うーむ、これって判りやすすぎーっ!!

あえて正直に言うなら、
いちばん心が動いたのは、
「オクサン」がもっとも調子が悪いときに書いた
「あなたが判らない」という手紙。

彼女は、二度三度ならず、自殺未遂を繰り返し、
二度は、生死の境い目をさまよいます。

そのとき、著者は、会社に家庭内の事情を明らかにします。
一本の電話にちゃんとに出られるかどうかが、
家族の生命線となると判断した段階です。

ここの部分も、意識に確かにとどまったことです。

さて、本の出版に際して、家族にもかなり一線を引き、
ある種、一番冷静でもあった二男が、
「家族のプライバシーの全てをさらす」ということにおいて、
慎重に反対の意思を持っていた、という事実は、
なかなか考えさせられる、さもありなんという事柄でした。

この一家、ちょうど、私たちくらいの年齢で、
そういう点でも比較しやすくてねえ。

ところで、昨日パートナーのヒデコは、
ある方と話していて、
私たちの住む地元の街では、
雪かきや雪下ろしをしていて、けがをしても、
迷惑をかけるから、恥ずかしいから、
救急車を呼ぶ訳にはいかないっていう人々がいることを知りました。
確か、その時の話は、
屋根から落ちた時の話だと思ったけれど。

情けないなあ。なにが恥なんだか…。
手遅れで死んでしまったり、より大ごとになったほうが恥ずかしくないのか。
いや、より大ごとになったほうが、まさか、カッコイイ??

だから、こういう家族内における逆境ものが売れるっていう、
そんな日本社会なんでしょうかねえ。

でも、それにしても留保つきの逆境です。
主人公は、優等生的にどこまでも頑張らねばなりません。
めげそうでも、けっしてめげてはいけません。

そして、出版記念パーティは、ホテルニューオオタニを満員にして、
それこそ、著者の会社関係の人々で埋め尽くされなければならないのです。
それが、まるでジンクスのように語られなければならないのです。

奥さんは、ほどほどに回復されていて、
三人の「ゴキョウダイ」もパーティでは、
予想外だったけれど、
顔を並べて、感動的にして、淡々としたスピーチをし、
父の人望はますますきわまっていきます。

こんなのありえなーい。
でも、これが本当なら、ありえたんだよねえ。

いやいや、きっと本に書かれていない事実もありそうかな??

講演とかのサイン会の時、
多くの人が、実はうちにも、うつの家族がいて、とか、
うちにも、障害のある子がいて、とか、
語るそうです。

あああ、そんなにも言えない社会なんだってことだよね。
特に、出世社会、上昇志向社会においてはってこともあるかも。

私、きっと、この著者と会ったら、それなりにお話しできたりすると思います。
なかなか良い顔をしているし、人間的だし。

そして、世の中の、幸せ不幸せについて、彼は疑問を投げかけてもいます。
幸、不幸の基準って、人それぞれではないか、と。
彼の思考は、そこ止まりかな。
そう「人それぞれ」ってところで、思考停止。

でも、人それぞれまでは思考はしています。
これって、世の中の基準には、相当ふさわしい、新しくて古い提議なんでしょう。

彼は、世の中には数々の視えない不幸があると挙げています。
病気や障害、老化のことやら、いろいろと。
その中に、シングルマザーとシングルファザーが上がっていることに、
この人の価値観の限界見たり、というところは否定できませんでした。

おーい、待ってくれー。
シングルマザーは、少なくともハンディの基準ではないよ。
確かに、「一般家庭」より、収入が少ない。
大変だ。でも、選んでしている女たちも今や沢山いるんだしな。

シングルファザーについては、私はあえてここでは言及しません。

そうそう、自閉症の長男に年150万円余り。
肝炎とウツを併発していたオクサマに200万円余り。
これを捻出するのに苦労した話、
あらあら、捻出できるんだあ、って、
企業人の年収の常識も知らない私は思ったものでした。

捻出できるなら、やればいいじゃん。

それから、出版記念パーティのあと、
この本を持って帰った企業人、
先に読んだ奥方たちに、
文句タラタラ言われたというジンクスつきで。

まあ、そうでしょうねえ。
彼は、家事育児も、会社のさらなる業務も、
能率的効率的人間的に、前向きにこなす人なんですから。

でも、ともかく、それにしても、まあ、あれこれ文句つけましたが、
世の中には、どんな逆境もありますですっていう、
そんな啓蒙には、この本が一役も二役もかっているのは、
理解できました。

日本社会って、それにしても、
まだまだこんな段階なんですね。

その認識をあらたにしたという速攻読書の小さな「発見」が、
切ないばかりの私ですが。

何読んでんだい??
あらあら、こんな横道、
のえに怒られそうです。
けいこちゃん、こんなの読んだのお??

ケイコ
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