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胡桃割る 使わぬ部屋の扉あけ…思えば私は沢山の扉をあけてきた

何なんだろう。現象的には、家族の姿だったり、
はたまた、浮気だったり、不倫だったりするのだけれど…。

今回で、5回目の向田邦子ドラマ『胡桃の部屋』。

キーワードが、ジャンジャン出てきたような気がしたけれど、
たった一つだけだった気もする。

夫の浮気の現場をおさえた長女の、主人公の二女、桃子への述懐。
「はっきりさせるほうが楽になるかと思ったけど、
私、どこかで信じてたのよね。
苦しかった。さみしかった。つらかった。
本当は知りたくなかったのよ。」

まあ、そうだろうなあ。でも、案外ひょんな一言にも真実がこもっていたりもする。
「どうせなら、もっといいオンナダッタラ、良かったのに…」。

死にそこねた、老いた夫を救った、おでんやの女が、
その父親のような相手に言う言葉。
彼女は、幼い我が子と楽しく遊んでいる合間に、子どもと別れてきている。
「ちゃんと、あの子に謝って、泣かれてから、
別れてくれば良かったって、10年そう思ってきた。」

相談相手だった末に、恋心を抱くようになった、父親の元部下の男に、
1年の別居後の妻が戻ってきたことを知って、
別れようと決心しつつあるときの桃子の何気なくもらされる言葉。
「恋とかは、私は当分いいや」。

家出された夫の相手の女に会いに行って、
「きれいごとなんかじゃない、殺したいほどだけど、
どこかで元気にしていてほしいと、最後には願ってしまうのよ。
不器用でどうしようもないあの人のこと、よろしくお願いします。」
と告げたあと、ばったり夫に会って、ぐらっとなりそうになるのを踏みとどまって、
今まではありえなかった、買い物かごをさげた不格好な夫の姿をなぞって、
毅然と、夫の横をすれ違って去った妻が、帰宅後、娘たちと息子に言う言葉。

「胡桃(くるみ)割っていてね。突然思い出したんだけど、くるみにはね。
空いている部屋があるの。今日、お父さんに会ったんだけど、
お父さんは、今まで使わなかった扉を開けてしまったのね。
人の心の中には、自分ですら知らない部屋があるのかもしれない。」

そして言う。「胡桃割る 使わぬ部屋の扉あけ…」。
うむ、誰かの俳句かな。

相手に、戻ってこようとしている妻と子どもがいると判って、
恋に踏み切れない桃子が、相手に告げる言葉。
「家族をおいて、自分だけ新しい部屋を開ける訳にはいかないんです。
いいえ、あなたにも開けさせたくない…。」

映し出されている、家族や異性愛者夫婦の浮気や不倫の現象をよそに、
私は、むしろ向こう見ずにも、
不届きにも、
勇気とか、ボーケンとかいう話ではなくて、
当然のように、開けてきた、
それまでは空っぽだったけれど、
私が開けた瞬間から何か別のものに変わっていった、
胡桃の部屋を巡る追想にふけっていた。

思えば…。
そう思えば、同性愛者は、好むと好まざるとにかかわらず、
誰でも、あるいは自分自身すら気づいていない、
そんな部屋を開けずにはいられない、
最も、そういうところの近くにいるのかもしれないとも思う。
もしも、自分に真摯に向き合っているのならね。
そう、本気でね。

あるいは、私はこうも考える。
自閉症スペクトラム圏に属する、定型外の人間という生れというだけで、
常に、見知らぬ部屋を開ける不安とおののきに、
とらわれもするのかもしれない、と。

今、私は2007年暮れから、2008年春までの、
のえとの日々を、深くやさしく、しかし、あくまでも冷静に、
見つめ返している。

思わぬところで、気づいていなかった、
というか、どこかで気づいてはいたかもしれないが、
はっきりと意識するのを抑えていた、まだ見ぬ、
あたらしい部屋が、立ちあらわれつづけるごとに、
ふと立ち止まっては、また続ける魂の作業の山と谷よ。

胡桃割る 使わぬ部屋の扉あけ

ケイコ
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