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ドラマ『胡桃の部屋』3回目と4回目のキーワード考察

向田邦子ドラマですから、皆さま、ご覧になっていることでしょうね。

私としては、連続ドラマを見るようになったのは、去年、
あの凄まじい「副作用」の日々に入る前の『八日目の蝉』以来ですからね。

さて、「不倫」の本質を突く、まさに、不倫を突きぬける人間の本質を突く、
このドラマの3回目と4回目のキーワードは。
というか、枠からはみ出すことって、人間の本質をえぐるってだけなんだけど。

3回目は、もう十日近くたったから筋は、ややぼんやりしてきたけれど、
キーワードはこれですねえ。

「浮気」された母親が二女の桃子に言う言葉。
「あんたに私の気持ちなんか判るわけないでしょう!」

それから、家族を捨てて、死線をさまよった挙句、
ある女のもとに居着いた亭主の側の言葉。これは元部下に投げつけられる。
「お前に俺の気持ちがわかるかあ」。すぐく低くぽつりと。

ありゃりゃ、こういう言葉って、私言いそうで絶対言わない人生、
やっているよねえ。そう思いましたよ。

だって、これってさあ、絶望の極限の言葉かもしれないけれど、
どっか甘えてんのよね。
誰だって、誰にも伝えられない、心の闇なんて抱えているものさ。
そんなのあったりまえだろう。

でも、この二人の言葉をこのドラマで聞いてから、
私一度でもこの手の言葉使いたいなあって思ってしまった。

で、一度やりかけてみたけれど、様にならないってこと、わかった。
なぜって。

要するに、私みたいな「自閉圏」の人間、しょせん人に判ってもらえるはずない、
そのことが前提で生きていくのがあったりまえになってしまっている人間なんです。

一緒に生きているパートナーのヒデコにしてみれば、
いつもいつだって、私に、
「あんたなんかに私の気持ち判る訳ないでしょ」って、
言われている気持ちはするかもしれない。
きっと、そんな気持ちにさせているかも。

でも、言ったことってないんだ。
だって、言えないもの。言えるわけないもの。

だから、私は言葉を尽くして、人に言葉を届けようとする。
それしか手段がないから。
それでしか、人と人が少しでもつながれないって、どこかで信じているから。

なのに、そんな私のことを、
…ケイコさんって、人と人が判りあえるって思っているみたいで、
なんか面倒なんだわ…
なんて言われていそうで、うわぁ、これって私から見たらものすごく面倒。

でも、なんかうらやましかったなあ。ドラマの中なのに。

私の気持ち判る訳ないでしょ、とか、俺の気持ち云々、とか、
良い具合に甘えちゃって、なんだかなんとも言えない、
どうしようもないように切ない、
そんな気持ちになったんです。はい。

私、こんな言葉口が裂けても言わない。言えない。

言ってみたいから言ってるの?

ううん、言う必然性がない。

でも、ヒデコは毎日私に言われているような、そんなゲンチョウに包まれているかも。
私の悲願のようなものだからね。絶対言えない悲願のようなものだから。
もしかしたら、ヒデコはそれを私の悲鳴のように、聞いているかも。

そして、のえが最後の数カ月の間に、一度私に言ったっけ。
…本当の孤独って判ってるの?? …って。


ドラマ4回目のキーワード。

姉妹三人が入り乱れて喧嘩するシーンの直前に、
末の妹が、婚約直前まで行っていた彼氏の母親に、
身元調査をされて持ってきた写真を見て、一番上の姉が言う言葉。

「あらあ、これで私、興信所に頼む手間暇が省けたわ」。

妹は、医者の卵のお坊ちゃんとのちょっと幼い恋が破れたところ。
ついでに、そのお坊ちゃんの母親が依頼した興信所が撮った、
この姉妹やら、もう一人の弟の身辺の写真がもたらされた時のことなのだけれど。

つまり、一番上の姉も、母親と同じで、夫に「浮気」されている。
そして、母親と同じように「妻」の地位というか、揺るがぬ椅子というか、
そういったものを信じようとしている。
でも、母親よりはドライで、いろんな価値観揺らいでいるから、
まあ、興信所に頼む手間暇省けて、夫の浮気相手との写真が、
たやすく手に入ったことを喜ぶというのが、まあ少し笑えるんだけど。

でね。もう一つのキーワードは、もう一度、繰り返される感ありなんだけどこれ。
「人が一人いなくなって、家族なんて言えるのか」。

うーむ。また、うなっちゃうのよねえ。

このドラマ、ちゃんとに婚姻制度とか、家族幻想とか、
家社会とかの、底の浅さ、ちゃあんとに突き破ってくれるのかなあ。

向田さんのことだから、きっとやってくれるんだろうけれど、
えりすぐった、せりふの数々には、そういった兆候が見てとれるけれど、
さあ、どう出るか。

語り手というか、主人公の桃子というか、桃太郎まで、
あらら、不倫になりそうだけれど、
そもそも、不倫って何さ。

これって、婚姻制度大前提の言葉でしょう。

向田さん、もう天国だけれど、この考察、ちゃあんとにして逝かれたんでしょうねえ。

私は、『父の詫び状』とかしか、彼女の作品は知らない。
でも信じたい。庶民の底に眠る、
本物の人と人の真情に触れたいという欲求そのものを。

私は、そこのところを、やっぱり信じたい。

それが、たとえ異性愛者の家族の形態を借りたものであったとしても。
それが、たとえ1980年代という時代背景の限界を抱えていたとしても。

さて、どうなる。

ケイコ
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| 映画・ドラマ・本より | 16:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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