一ヶ月ぶりに地元の心療内科に行った。
本当に最低限の処方だけしてもらっている西洋薬専門の先生。
私の現在の主治医は二人、この地元の女の先生と、
新大阪の漢方専門の心療内科の先生。
新大阪には、おととい行って来たばかりだ。
さて、体調や薬の話などの一区切りに私は切り出した。
で、先生、番組観てくれましたか。
先生の顔が恥ずかしそうにほころんで、
録画して観ましたよ、と告げた。
で、どうでしたか、と私。
すると先生はたまらなくなったかのように涙を流し始めた。
一精神科医が何か言わせていただくなんて、おこがましくて…。
私の人生なんて、あなたたちからしたら薄っぺらなもので。
あとは涙。なんとか笑顔に戻って、先生に戻って、としようとするのに、
余りに素直で素朴な、その姿に、
私は椅子から立ち上がり、先生のいる机に近づき、
私はなんと、先生を気づくと抱きしめていた。
それから、「先生と患者という立場をこえて…」と私は先生と握手をした。
いつも診察室でそばにいるヒデコに今までほとんど注意を払わなかった先生が、
今日は最初から、ヒデコのほうをどうもちらりと見て気にしているようで、
多分観てくれているな、とヒデコは思ったという。
当事者の自殺も多いんですよ、自己肯定できなくて…
ヒデコが言うと、先生もそのこととけっして無縁な診療をしている訳ではないことを告げた。
今度来る時は、活動の中で生まれたLGBTのための医療機関用のマニュアルを
持って来ようと私は思った。
頭がすっと晴れた。
笑いが湧いてきた。
そして、涙がふつふつと後を追った。
受付で薬局で、私ははつらつとして、まるで病人ではないかのように、
にこやかに自然体で、そして堂々とふるまった。
最近はいつもそうかもしれないけれど、そういつもの何倍も多分。
もちろん、番組を観たのは先生だけだけれど、
この開放感はなんなのだ、
私達のこのことを判ってくれて診てくれる、
心療内科医がこの地元にいるというその事実のありがたさ。うれしさ。
それだけで、心が晴れて、元気百倍、アドレナリンが出てきそう。
もちろん、診察室を去る前、
私は、のえのこと、息子のことを伝えるのも忘れなかった。
娘ののえのためだったからこそ、私の発達障害の診断にも臨んだことを伝えるのも忘れなかった。
娘さんのこと、つらかったやろと思って…とまだ涙のままの先生。
田舎には田舎で、伝わっていくものがあるときはある。
こんなに自然に、こんなに素朴に。
副作用が出て転院してしばらくは、
薬のことしか関心がないのかと思っていたぐらいの、
ええい、全くもうって思っていたくらいの、
先生だったのに。
今晩もまた、別のそんなふうにして素朴で嬉しい電話がかかった。
おそらく最高齢の理解者からの、番組観たよという電話。
その80歳の友人からの電話については、また明日書こう。
もったいなくて、そうやすやすと伝えたくないもの。
大切に大切に伝えていきたいもの。
まだ、私達にあの番組の余韻でも何でも伝え切れていない人。
さあ、どうぞ今からでも。
ケイコ
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勿論
ケイコさんとヒデコさん達の番組では
お力を頂きましたよ
震災以降、天涯孤独で病人という事や
過去の色々が思い出されて
益々苦しくなっております。
云ってはいけない気持ちになり
辛さが募っているのです。
| hilow | 2011/03/28 14:24 | URL | ≫ EDIT