PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

お手軽取材依頼と走れメロスと日本語教室

二ヶ月ほど前にあった取材依頼が、また『ひびき日本語教室』にあった。

いつも戸惑う。若干むかつく。

どんなふうに日々、一時間一時間、日本語教室の中で、
外国人生徒と向き合っているか、知っていての依頼なのだろうか、と思う。

あまりのお手軽さに一旦は、とにかく保留にする。
そこに行けば、簡単に外国人の状況を聞けるとでも思っているのか。

日々、どんな授業の中で、どんなふうにそれぞれの外国人の心のひだまで分け入り、
日本語の機微を、文法を、はたまたコミュニケーションを伝えているとご存知か。
おいおいおい。と言いたくなる。

まして、プロの日本語教室として、仕事として開いている教室でもある。

そこでは、実は太宰治の『走れメロス』を読む、という、
教える側にとっても非常に面白い授業が始まった。
一字一句の意味が浮き立ち、わかりやすい日本語や、
時に最後の手段でひらいたスペイン語の辞書からも、意味が浮き立ち、
ポルトガル語を母語とするその生徒の頭の中に、
この文学作品の雰囲気や香りがのぼりたつ。

ああ、この王の周囲への不信感は太宰治が内心深く抱いていた、
自身への破滅的な違和感であり、不信感であったのだな、など教えながらも思う。

この教室の中でしている、不思議な言葉の授業。

それは私にとってかけがえのない、秘め事にも似た、
珠玉の時間となりつつもある。

本当に日本語を真剣に身に付けたい、そんな生徒しか最近はいないからだ。

記者には、一度でも外国人の状況を勉強してから来てほしい。
記者には、一度でも外国人に日本語を教えてから来てほしい。

私が渾身の力で拾い集めた外国人たちの心の機微、デリケートな本音を、
とんびが油げをさらうようには持っていかせはしない。

そんな私の気持はなかなか人には伝わらない。

そんな私の教室は、たった一人の日本語教師である、
この私のささやかな、秘めやかな、かけがえのない仕事の場所であることを、
誰がどんなふうに、はたして知っているのか。いないのか。

一回性の日々に賭けながら、キャラバンの準備の合間にも、
私の日本語の響きに託す日々は今も続いている。

ケイコ
スポンサーサイト

| ひびき日本語教室 | 10:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://puentenokai.blog26.fc2.com/tb.php/643-7938f278

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。