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アイデンティティという広がりと深み2 カリスマ、ドナ・ウィリアムス

いつかこのブログでも書きましたが、 ドナ・ウィリアムスの本は、 その邦題『自閉症だったわたしへ』という言葉のインパクトともに、 私には長い時間、触れない、語らない、手に取らない、 話題にしない、ないものとする、というくらいのタブーでした。いやだなあ、また置いてある、でも、私は絶対手に取らない、 そうやってキャラバンの泊まり先で意識したのは、 この本が話題になっていたらしい90年代半ばだったでしょうか。その中には、 自閉症児を抱えた友人一家もありました。ものすごく動き回るその子を、 いとおしそうに、少し悲しそうに抱え上げる、 少し年の行った父親のしぐさと共に思い出します。 にもかかわらず、 それは私にとって人事でした。そう、やっぱりそのファミリーのプライベートなごたごたでした。それが、最近になってどうしたことでしょう。ははは。私は二十代のはじめ、 自閉症児のセラピストになる、という夢を思い描いていたことがあります。それにとってかわる、突発的な不祥事のような、 おみくじの大安みたいな出会いがふってわいたから、 今の今までこの本も、このテーマも保留とされてきたという、 なみなみならぬ事情があります。自閉症というのは、 けっこう私にとっては古いテーマなのです。二十代からの? いいえ、もっと古い、もっともっと。一日前のこのドナのことでブログを書いてから、 ドナ本人の英語のホームページを見ていました。ノーボーディノーウェア、という最初の本と同じタイトルの、 ドナ自身が作った歌もあって、途中まで聞くことができました。かもしだすものが呼応して、私の胸に届きました。それから、 ドナ・ウィリアムスのカリスマ性を語るホームページも見つけました。カリスマ性と、そうでないドナ自身との間を、 ちょっとブラックな笑いとクリアな言葉で、 ふふふ、と共感できる内容でした。ここでは、やはり『自閉症だったわたしへ』というタイトルが こきおろされていました。『心という名の贈り物』についても。だいたい心というものが外側からやってきたみたいじゃないか、 心はあったんだぜ、それを地球人が早とちりしてしまうようなタイトルじゃないか。 などなど。地球人とは、異星人としてのアイデンティティを確立した 自閉症のご本人たちから見た、自閉症スペクトラムにいない人々のことです。異星人であるにもかかわらず、 地球人であることを強要され、割に合わない無理をし、すったもんだやっているのが、 異星人である自閉症スペクタクルの人たちの実感なのです。後ろにある各巻の解説が、最初はまだしも、 第三巻に至ってとても違和感が私にはありました。それについても、ここであいみることとなりました。第三巻の解説には、こうありました。何度そのひたむきな姿に涙しそうになったことでしょう、とかなんとか。第三巻をひしと感動をこらえて読む人は、明らかな地球人です。私は異星人観察図鑑のように冷静に読むしかありませんでした。これを涙をこらえながら読むなんて、 不謹慎、感動すると売り込むこと自体が皮肉な気がしてしまいます。しかしながら、 ドナは自閉症者の知覚世界とこの世界とを言葉でもって つないだ人であることに変わりはありません。それゆえに、感動をもって迎えられ、 そのおびただしい内部の変動、揺れ動き、地震、 亀裂をもってして、外の世界とつながる困難さを浮き彫りにします。それは、彼女が確たる「感情」を持てなかったがために、 逆に明確に浮かび上がらせることのできた事実であるのです。そして、著作とともに彼女はあるがままの自分でいられる伴侶も得て、 シンデレラガールになった、終わりよければすべてよし、 本当にそうなのでしょうか。私は今も彼女が自閉症としての特性のただなかで、 どんなにあるがままを生きようとも、 すったもんだしている姿が変わらないことが救いです。『ドナの結婚』と邦題をつけられた第三巻のエピローグが、 考えられないような努力と試行錯誤をして互いにはじめての他者となった、 相手との、書きあげて一年後の別離の報告でもって結ばれるということを、 邦題をつける人はどう考えたのでしょうか。たくさんの矛盾と誤解と幻想のなかで、 しかしドナは世界中に自閉症を認知させました。読む人はこころしてください。ドナを苦しめつづけているのは、 そんなにたやすい感覚障害ではありません。 にもかかわらず、 私は自閉症がなにも特別なものではない、 という感慨を覚えていることに、 思いをはせてください。
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