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声が出るとき

ベロ亭のある白山の道を
暗くなってから車を走らせていると
ふと動物が横切る。
猪だ。

ここ数年来、ご近所の田はもちろん
畑にも電線がはりめぐらされ、弱電流が夕刻から流れる。
猪よけだ。

私がいのしし年だから同情してしまうのか
お尻を振り振り歩く奴らはかわいい。
お百姓さんからは憎き猪だが。
畑を荒らしてしまったり
作物をそっくり取っていったり。

奴らは、家族で行動し押しくらまんじゅう状態で薄暗い道を歩いている。

野良犬は保健所の管理でこの田舎にもすっかり居なくなったが、
猪やタヌキ、キツネはよく会う。

朝起きて、ケイコのガーデニングの気持ちよいわがベロ亭庭園での食事。
この頃聞こえなくなったのがカラスの話声。
カアカアうるさいほどだったのに、
お百姓さんにとってこれも百害らしい。
鉄砲でけ散らかし、この頃彼らは驚いて現れなくなった。
その代り、美しい野鳥たちが私たちの朝食に語りに来る。

私のやきものの定番品に、鷺絵シリーズがあることをご存知の方も多いだろう。
田の真ん中に、灰色とも薄茶色ともつかぬ色で
すっくと孤高の人のようないでたちで、鷺(さぎ)は立つ。
スマートに立っているかと思うと
突然舞い立つ。
その姿に私はなぜか恐竜時代を想起する。
グロテスクなのだ。
そしてその声は、ガラガラ声でよけい恐竜のようだ。

温暖化のせいか近頃アリが家の中をうろつく。
ケイコの書斎の梁に穴がたくさんでき
アリが行列をなす。台所の生ゴミにもすぐに奴らが来る。

いったいベロ亭は、どんな所にあるのかって。
横浜の姉が入院していたがんセンターまでぴったり5時間で着いた。
JR駅までは車で25分。
最も近いコンビニに18分。
最も近い温泉に5分。

なぜこの北陸の田舎に私たちは住んでいるのか?
老後を都会で暮らすために引っ越した方がいいのか。

このトモダチみたいな動物たちに囲まれ、
この静かな庭の木々や草花に囲まれ
15分ほどで町中に車を飛ばし、移住労働者を支援する。

洞爺湖でのサミットに抗議して
心あるアーティストやNGO活動家が札幌にデモに行った。

鳥のさえずりを聞きながら
このかた田舎は私にどういう意味があるのか問う。

たまたまいるにすぎない気がするこの地が
たまたま居る必然性がある気がするからおかしい。
自然なんて当たり前にあるのだ。

人間の生きてる、当たり前の前提として
こんな動物との語り合いがあるのだ。
デモや表現活動はそんな生き物としての
前提を持っているからこそ始まる。

ノーベル賞作家、オルハン・パムクと石牟礼道子の対談で石牟礼氏は、
発語できずにいた胎児性水俣病患者の表現について語った。
彼らがやっとのことで声を出し始める。
50年かけて。

ヒトは生きている。
そのたたかいはどこから来るのか。

ヒデコ






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