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「批評」と「攻撃」との間で

大昔、福井の女性たちが集まる会で、私にとってはほんの素朴な意見を言ったつもりの時のことだ。

すると、慌てて、国語教師でもある会のメンバーの一人が、
「ものごとのやりとりには、批評ということがあるんですよ。私が扱っている教科書にも出てくるんですが」
と福井なまりで言ったことがある。

私はすぐに何を言っているのか判らなかったが、しばらくして、私のほんの素朴な意見が、会への「攻撃」と映ってはまずい、という判断から、国語教師という役割を意識してなされた事だと気がついた。気がついたと同時に気が遠くなった。この会では自由に意見を言うことさえ、こんなフォローが必要なのだ。

その会では、会のメンバーの「離婚」は皆の話題に全くあげないようにして、結婚して赤ちゃんが産まれたメンバーのお祝いの話題に余念がなかった。それはそれで、まあ良いけれど、何もここで皆で祝わなくとも、沢山祝ってくれる人がいるだろうな、そういう気持ちもあつた。

それよりも、女たちの痛みを分かち合うことを大切にしている会なら、離婚のときの大変さなど、たとえおおつぴらでなくとも分かち合う態勢つくりなど、すべきだと思った。もちろん、その人は私たちの親しい友人だったので、私たちは個人的に惜しみなくできる事はした。

最近、かなり親しい人から、「ここのところの、ベロ亭日記のブログは攻撃的な内容が増えているね」とヒデコが言われたと聞いて、この大昔のエピソードを思い出した。

古く封建的な地域だから、「批評精神」というものを知らずにいるんだな、と大昔は理解したが、今回はわりに若い人からの「意見」だつたので驚いた。単にボキャブラリー不足なのか、やっぱり「攻撃」と思っているのかは判らないが、これは奥が深い問題だな、と少し思った。自分の頭で自分の感覚で、物事をしっかり考えて「意見」や「批評」を述べたりする若者が少なくなっている実感もあるからだ。

「攻撃的」と見られているらしい、それらのブログを具体的に見ると、私たちにとって理不尽な行動や言動に対して、素朴な違和感や怒りや価値観の違いや心の痛みを表出している内容にすぎない。しかも、こちら側のマイノリティ性、見えにくさ、といったものを無意識にでも意識的にでも、踏みにじられた事への、尊厳を賭けた問いかけとしてである。

それが「攻撃」と映るということは、それぞれの事実の前提としてある、弱者や少数派への「偏見」や「思い込み」が、 まず理解できていない、ということかもしれない。苦笑もしたが、震える思いもあつた。

愛するということは、理解することから始まる。と言った、もの書きがいた。理解なくして愛はない、とも言い換える事ができる。

最近、私は自分の中に渦巻いた理不尽さについて、周囲の意見を求めて、あれこれと連絡をとった。部分的な理解や回答もあったけれど、そんなふうに理不尽さを分かち合い解決したいと追求する私への、心配のほうが周囲に広がった。私の投げかけ方はけっして用意周到とは言えなかったが、物事がそんなふうに動いてしまったことへの失望は大きかった。

できるものなら、親しい人とは少しずつでもわかりあいたい、それは誰もが望むものであろう。特に、それぞれが社会的に少数派であることで痛みを持っている場合には。

私は数年前、ある身近な人の 「妊娠」の判明に際して、「こどもの存在というものは、希望になるよ」と、産むか産まないかの選択へとぐいと肩を押したことがあった。

産まれることは等しく平等なことである。誰でも一人で生まれて一人で死ぬのだから。

だから、あるがままの希望をこめて、わたしが昔自分のこどもを育てた日々とも重ね合わせた。

産まれることは等しく平等のはずである。たとえ、母子家庭の子どもであろうと、婚外子であろうと、障害児であろうと、混血であろうと、ペルー人であろうと、何人であろうと。

少数派を生きる自分を意識しつつ、産まれることは等しく希望である、という確かな思いに動かされて、数年前のある日、その伝言を送った。

その伝言には、生きるための希望に満ちた「批評」こそ息を潜めていたかもしれないが、人を打ち消すための「攻撃」はひとかけらも存在していなかった。

そして、どんな状況にあっても、一人の人間をこの世界に生み出そうとする時、「希望」とは何か、とたゆまず問いかけること

それこそ、「批評」の芽生えだと、私は36 年前から確信している。

ケイコ




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