PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

許さない…憲法の解釈変更などありえない…シンボルスカ「憎しみ」全編にゆだねて

許さない…憲法の解釈変更などありえない…シンボルスカ「憎しみ」全編にゆだねて


今の思いを、ヴィスワヴァ・シンボルスカの「憎しみ」という詩にゆだねます。
時代は動き出してしまった。戦争へと。
私の日々する事々に変わりはないけれど、変えるように迫る圧力が目に見えるかのような状況が来ていると思います。
戦争と自死、追い込まれる現実の本質は同じことに、日本人のほとんどが気づいていない。
この寒気をシンボルスカの詩の一字一句にゆだねます。沼野充義訳、未知谷刊。


憎しみ                  ヴィスワヴァ・シンボルスカ

あいかわらず、てきぱきしていて
元気でかくしゃくたるもの
この世紀になっても憎しみは、
高い障害物もなんのその
ジャンプ、アタック、朝飯前

ほかの感情とはちがう
どんな感情よりも年上なのに、同時に若い
それは自分を生みだす原因を
自分で生む
眠るとしても、けっして永遠の眠りではない
不眠のせいで衰弱するどころか、いっそう強くなる

宗教やら何やらで
人はスタートの姿勢をとり
祖国とか何とかで
人は「よーい、どん!」で駆けだしていく
はじめは正義だってがんばっているのだが
やがて憎しみが勝手に突っ走るようになる
憎しみ 憎しみ
その顔は愛の恍惚に
歪んでいる

ぐずで弱々しい
ほかの感情たちよ
兄弟愛はいつになったら
群衆をあてにできるのか
同情がかつて一等でゴールを
切ったことがあっただろうか
疑いがどれほどの人々を虜にできるだろうか
人を虜にできるのは我を通す憎しみだけ

有能で、のみ込みが早く、仕事熱心
それがどんなにたくさん歌を作ったか、言うまでもない
歴史にいったい何ページつけ加えたことか
どれほど多くの広場や競技場に
人間の絨毯を敷きつめてきたことか

思い違いをしないように
それは美を作りだすことができる
真っ黒な夜、その炎の照り返しはすばらしい
薔薇色の夜明け、その爆発が巻き上げる煙の渦はみごと
廃墟にはたしかに風情があるし
廃墟に頑強にそびえ立つ円柱にがさつなおかしみがあることも
認めないわけにはいかない

憎しみはコトンラストの名人
爆弾の轟きと静けさ
赤い血と白い雪を対照させる
そしてとりわけ、汚れきった犠牲の前に
そびえ立つこぎれいな死刑執行人というモチーフに
飽きることはけっしてない

いつでも新しい仕事が待ちかまえている
待つ必要があれば、待つ
目が見えないとも言う、目が見えない?
それは狙撃者の鋭い目を持ち
未来を大胆に覗きこんでいる
自分一人で


ケイコ
スポンサーサイト

| 詩の世界から | 16:14 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

人間の根源的な風景って、地球上、どこも同じなんだね、と、ヒデコとぞくっとしあいながら、言っていました。

シンボルスカは、ポーランドの女性詩人。虎と狼みたいな大国、ドイツとソ連に包囲されていた歴史…。

日本は地上に国境が見えないから、もっと見ない、見えない、見ないですむことどもがあるやも。

俯瞰的でいて、すぐそばにある言葉で書かれた、世界のすごみ。

朝日の天声人語で、茨木のり子と並べて語られていたけれど、日本の詩人は、なかなかここまで重層的な表現は持てないと思う。
茨木のり子のわかりやすさは、そういうところにあるかも。

国と国のことがすぐそばで見える。しかも、被害と犠牲のなかで見える。そして、彼女のまなざしは被害も加害もこえてあるんだね。

本当は日本だって、数々の「中国」と「朝鮮半島」を、隣人に見ているはずなのに…。見ようとさえすれば。きちんと直面さえすれば。

| ケイコ | 2014/07/06 12:17 | URL |

詩、読めてよかった。ぞくっとする。

| KAGE | 2014/07/05 21:57 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://puentenokai.blog26.fc2.com/tb.php/1286-c7d33991

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。