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偶然の神様

あらかじめ、二週間、いえ一ヶ月も前から、予定を入れておいてもらわないと計画が立てられない日本はおかしな国でしょうか。個展の前の日にチラシを配れば人がわんさか集まるペルーは、行き当たりばったりの国でしょうか。

実は、今年のクスコでの活動は、フスティノさんの、九月までびっちり入った観光ガイドの仕事の予定表とにらめっこすることから始まりました。私が催促して、二回目にやっと持ってきてくれて、スペイン語だけの予定表、それからその説明書、これもスペイン語だけですが、を渡されて、「私が知りたいのは、フスティノさんがいる日、それから何時からいるか、だけで、すべての予定表を読み込むことはできない」とその場で、三ヶ月間の予定表を解析することを要求しました。

すでに旧メンバーの「教える練習」コースは始まりつつありました。曲がりなりにも、この何年間か日本語を教えてきた彼の所在が確かかどうかは、このコースの成果にもかかわってきます。しかも、今までは、フスティノさんは、私たちがクスコに派遣されるときは、いつも仕事はあけておいてくれました。現在は状況が変わって、働かなければならない日々が、それでも続くとしたら、事前に説明が彼からあるべきでしょう。それもなく、予定表をやっと出してもらったその日まで、彼は「まだまだガイドの仕事が入ります」などとのたまわっていたのです。何度も耳を疑いました。

しかも、到着後の二週間目はあいていて、今日土曜はその第一週のクラスが終わったところです。この週、フスティノがずっと仕事がなく、クラスに向かえたのは、フスティノがこの第一週に限って、あけておいてくれたのだと、私はてっきり思っていました。そうしたら、これもたまたま仕事が入らなかったのだと、わかりました。もしや、と思って聞いてみたのです。「偶然の神様」がついていてくれたのね、私たちは、そう私とヒデコとフスティノは、笑いながら話したものでした。

しかしながら、私の今年の仕事が、フスティノのガイドの仕事の三か月分の分析から始まる、ということは、信じがたい事態でした。そして、そのことの説明は、今もってありません。昨晩、思い切ってヒデコが切り出してみたものの、その必要を感じていない、ということが大きくアップになっただけでした。

この国は、偶然の神様が采配をふるっていると言えます。そこに外国人、つまり日本人観光客の予定が、偶然ではすまない、と我物顔で入ってきます。それを意識的に断ることなくしては、私たちがクスコに派遣されて成り立つ活動を十分に生かすことはできません。リーダー不在で、「教えるグループ」は他でもない、まさに暗中模索を強いられるのです。リーダー不在で、ミーティングを持つことにもなりそうだったのです。

私は細かく彼の予定を分析解明し、この日とこの日とはいてほしい、とか伝えました。それは受身ではいはい、という彼です。が、彼からは、グループを私たちとともに、より確かなものにしていく、という姿勢はなくなってしまっているようでした。何よりも、ガイドをしなければならないとしたら、そのことを事前に丁寧に説明するのは必要最低限のことです。

偶然の神様は、よい方向にも悪い方向にもいたずらをします。

二週目の月曜日、バロイスが「教えるグループ」の実習ともいうべき新人のクラスの見学をドタキャンしました。彼の大学の先生が急に彼に、一緒に近隣の町への同行を求めてきて、優先すべきことを大切にできず、「先生」という別の「権威」に従うことを選んだ結果でした。私は、フスティノについで「教える」力を担うべきバロイスの不在に真っ青になりました。

そして、もうハラハラしたり、真っ青になるのはやめよう、とこの二週間をかけて、はっきり思いました。この国は、偶然が支配している国です。大学もまた、事前の予定などなく、突然先生の都合で、学生に同行を求めたり、試験を強行したりするのです。

できることは私もしますが、この国のこのあり方にどんなふうにしても、この小さなグループが抵抗できるとは思えません。いきなり遺伝子を組み替えて、計画的に物事を実行していく、なんてことはありえません。私もそんなことばかりの日本が好きではないから、来ているのがペルーという面は否めません。

しかしです。そんな私とヒデコの心の動きが、いかようにしても、今はフスティノにも、今や実体としてはリーダーのリスにも、伝わっていかないのです。

私たちは立派で計画的なグループです。解決できないことはありません。

そう断言するリスは、本当はものすごく切羽詰って見えます。フスティノは、そんなリスに守られる今や、「偶然の神様の教祖」みたいです。現実の本質を見る目を見失い、彼は今や神格化し、けして心の中を見せない石像になったかのようです。

その中で、救いは、例のエドゥインやロベルト、一度はもう私に強く注意されたものの、「教えるグループ」での役割を自覚し始めたバロイスです。
エドゥインは、いつも明るく前向きで自然で、ほっとさせられます。コミュニケーションが自然とたちゆくのです。

長くなりました。心配なリスのことは、あらためて書きますね。

写真は、私の第一週のクラスのものです。




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